ボーイズラブ作品の感想ブログです。すきだなぁと思ったものについての他愛ないおしゃべりを置いてます。



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◆8/27、青い方程式に拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/26、リンゴが落ちても〜 に拍手下さった方、ありがとうございました。雨の結び目をほどいてに拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/22、Hybrid Childに拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/19、間に合わなかった…100冊に拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/17、不器用なサイレントに拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/15、窮鼠〜 に拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/14、リンゴが落ちても〜 に拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/3、きみが恋に堕ちる、窮鼠はチーズの〜 に拍手下さった方、ありがとうございました。◆7月以前に頂いた拍手のお礼は、それぞれの記事の中に移させて頂きました。感謝。



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獣の妻乞い
沙野風結子/実相寺紫子(リンクスロマンス/幻冬舎)


沙野さんの手による禁断の獣姦モノ。
期待どおりで思わず本から顔を上げて、アルカイック・スマイル
←猟獣さん、ここにも危ない人間が…!

謎の青年×高校生。
ワンコ属性の攻と高校生の受という組み合わせではちょっと物足りない?
正直のところ最初はそう思ってました。
でも、この設定にこのお年頃キャラならではの感情の揺れが
とても丁寧に書き込まれていて、最後にはよかったなぁと思えましたよ〜。
頑なさの中におぼこさを隠した高校生の少年が
キューキョクのアイのカタチを受け入れるまでの様をたっぷり堪能させて頂きました。

受視点。ただし、攻視点もしっかり入ってます。
一途攻×(頑な→健気受)。
タイトルそのままに、攻が受を一心に求めるお話です。
妻乞いですから。妻乞い。くぅ〜、片想い設定好きには堪りません!

実は昔、攻は幼い頃の受に拾われて、短い間ですが共に暮したことがあったのです。
そして攻はその時の記憶を支えに生きてきました。
受はそれを知らずに、当初、攻を胡散臭く思うのですが
だんだんと心が寄り添っていって、攻の置かれた立場や複雑な環境をやがて知るようになり、悩みながらも攻の全てを受け入れていく様子がとても細やかに描かれていました。

攻の正体は公式あらすじの通り、「猟獣」といって
更正の見込めない凶悪犯罪者を始末することを務めとする「人外生物」です。人と狼の姿をいったりきたりします。
SFちっくな設定に皆さん引いてしまうでしょうか?
私はけっこう好きなのです。
ファンタジーに紛れて描写される日常的なあれこれが思いがけずリアルだったりすると、
逆に普通のお話より説得力を持つような気がするんですよね。
このお話の場合、受の抱える孤独感について頷かされることがあったので
すんなり物語世界に入って行けました。

さて、その物語。受は父子家庭で、しかも父親は現在海外へ単身赴任中。
攻が現れたのはそんな時分のこと。

いきなり話は逸れますが、
子どもの頃って家の中でひとりきりで居るのがすごく怖かったりしませんでしたか?
お化けとかリアル犯罪者とかを勝手に想像して怯えたりしませんでしたか?
そういう事は、幼い子どもが自分を取り巻く世界を認識し受け入れていく過程として
意味ある経験だという話を聞いたことがあるんですよね。

このお話の受には、それが架空ではなく実際の体験として起こり、
尚且つ庇護してくれる大人が不在だったので(親切な獣医さんは居たけれど)
心を閉ざし諦めを覚えて生きてきました。
そんな彼が再び世界を受け入れるキッカケとなったものが、またしても恐怖と暴力だったことに複雑な気持ちになります。
獣姦云々より、そういうストーリーの流れそのものを辛く感じる方はいるかもしれません。

話を戻しますね。

出会いと再会の場となった歩道橋から
通学路の行きに帰りに、スーパーへの買出しにと、
朝な夕な付きまとう攻を胡乱に思いつつ、どこか人懐こい捨て犬然とした攻の様子に
受は突き放しきれません。
そして、しばらくして事件が起こるのです。
受はその頃巷を騒がしていた通り魔に襲われ、攻に窮地を救われます。
ただ救出されるだけなら良かったのですが、攻は過剰な暴力を振るって犯人を死に至らしめてしまいます。
攻は傷ついた受を家まで運び、そのまま介抱をして受の自宅に居つくようになり
受は過剰防衛の罪を感じながらも攻を匿うのでした。

受は攻との生活の中、互いの身を案じ合うことで絆を育てるのだと思い知ります。
そして、自分は父親に対して心配をかけまいとする余り、一人万事立ち回ることで
逆に親子の絆を薄くしてしまったことに気づきます。
私自身はこの辺りの実直な描写がとても好ましかったので
他のファンタジーでファジィな設定については突っ込み無しの方向で行くことにしました。

ちなみに。ポリエステルの浴用タオルのリアリティについても
この作品世界を支えた、実に重要な支柱だと思いました。
ふっふっふっ…、沙野さんにはこういうエロを期待していたのだ〜!!
皆さま、77から83ページにかけてのシーンにご注目ください。
あ、80ページにはバス・シーンのすてき挿絵入りですから、ご注意くださいね?

では、話を続けて。
攻は公的機関から(秘密裏に)認められた猟獣なので、通り魔を襲ったことも不問にされます。
けれど、受はそういった特例の暴力の許容さえ認め難く思います。
そしてまた、人間に誰しも潜む凶暴性について思いを馳せ、人と獣にどれだけの差異があるのかと考えます。
攻もまた、受の傍に居続ける為には務めを果たさなくてはならない一方で
人を襲えば襲うほど心が狂わされていくのを感じて悩みます。

受と攻の、この物思いと、幼い頃の温かな毛並みの記憶が
このお話を受け入れるポイントとなるでしょうか?
……はい。沙野さんのお手並み、とくと拝見させて頂きました。
人によっては「獣の妻乞い」=とんちき認定されるかもしれませんが、私にとっては、じょうてのゲテモノ本です。本当に面白かった〜…。

問題のシーン、獣×人についても沙野さんのテクニックを堪能致しました。
ちゃんと段階を踏まえて本番を迎えるあたり、
読み手への気遣いと書き手の技の巧みを感じましたよ(笑)。
大丈夫!お初は人×人です。こちらがメインで、たっぷりです。
……いや、数はなくてもメインはやっぱりあっちかな?? ←どっちだ

物語の展開も
受を想って別れを決めて行方をくらます攻、それを懸命に捜し求める受というように
最後まで実にツボでした。
攻も受に夫乞いされてますよ〜。「獣を夫乞い」!
くぅ〜っ、長い片想いが真に報われる瞬間って堪りません!!

今回の感想はえらく長くなりました。どうもすみません(汗)。
いやはやどこまで書いていいものやらと、深い森へ迷い込んでしまいました。
さてさて。
アナタもちょっぴりの好奇心と作者さんへの期待信頼をお持ちなら、
ご自分の獣の性と愛を探しに、いつもとちょっと違ったお散歩コースをお試しあれ


◆2/9(土)0時「獣の妻乞い」に拍手くださったKNさんへ◆
ちょいキワ!成程(笑)。きわものジャンルには一家言ありのKNさんの感想、知りたいですv
◆2/8(金)18時「獣の妻乞い」に拍手くださった方へ◆
ありがとうございます。何処かで読んでくださる方がいるんだなって嬉しかったです。