ボーイズラブ作品の感想ブログです。すきだなぁと思ったものについての他愛ないおしゃべりを置いてます。



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◆8/27、青い方程式に拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/26、リンゴが落ちても〜 に拍手下さった方、ありがとうございました。雨の結び目をほどいてに拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/22、Hybrid Childに拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/19、間に合わなかった…100冊に拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/17、不器用なサイレントに拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/15、窮鼠〜 に拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/14、リンゴが落ちても〜 に拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/3、きみが恋に堕ちる、窮鼠はチーズの〜 に拍手下さった方、ありがとうございました。◆7月以前に頂いた拍手のお礼は、それぞれの記事の中に移させて頂きました。感謝。



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風と木の詩
聞こえるか 自らの 風がこずえを鳴らす詩――


某TVアニメの影響で、竹宮惠子さんのマンガで昔好きだったものを
少しづつ読み返しています。
うちの親はマンガに理解を示してくれなかったので
大人になったら自分で色々買い揃えようと固く子供心に誓ったものでしたが、
今この時それを実現できることに感謝。

ところで、和泉桂さんの「しのぶれど」の中にこの作品を思い起す一文がありました。
同じ事を思った方、いらっしゃるかなぁ。


縁側にぽつんと取り残された司は、何気なく目を閉じる。
風が梢を揺らす音が聞こえてくる。
ざわめくように。
だが、今日は風が殆ど吹いていないことにはっと気づき、司は目を開けた。
このざわめきの正体は、衝動だ。
――会いたい。
(しのぶれど 143ページより)



「風と木の詩」には序章と最終回(最終章とはあえて言いません)に
ひとつの同じ詩が入ります。
主人公セルジュがジルベールに寄せる想いの詩で、その中に

きみは わがこずえを鳴らす 風であった

というフレーズがあります。
私はこれを読んだ当時、ジルベールを風に例えることの意味を
漠然としか理解していませんでしたが
「しのぶれど」の一文を見てようやく分かった気がしました。

ジルベールも、この「風と木の詩」とういう作品そのものも、
私の中で強烈で複雑な衝動を呼び起こします。
云十年経って読み返した今もその印象の深さは変わりません。
ただ自分が歳を取ったことでそれぞれのキャラへの思いが変わりました。

現代のBL的に分類すると、ツンデレ攻×ツンデレ受?
物語序盤、二人の馴れ初めを語るくだりは
多感な思春期におけるプライドとプライドのぶつかり合いがなかなかに壮絶で見物です。
恋に落ちてやがて トーヘンボク攻×一途受 に変貌していくところには泣かされました。

ジルベールは最期にオーギュを選んだのでは?という見方をされる方も
中にはいらっしゃるんですね?
ちなみに私は、最期までセルジュ一筋という見方です。
馬車のシーンでの回想は、今際のきわに母親の名を呼ぶに近いと解釈しています。

昔、のりす・はーぜさんがJUNE誌に番外編「神の子羊」(小説)を書き始めた際は
一時舞い上がって連載を追いかけたものでした。
でも、自分が望んでいたことはその小説では知りえないと悟り、幻を追うのを止めました。

セルジュには知って欲しかった。
彼があれほど切望したジルベールの笑顔――

一度でもいい 彼の笑顔を この手の中で見たかった

以前にジルベールがジュールに一瞬だけ見せた表情のことを。
セルジュ自身の手の中で彼がどれほど綺麗に笑っていたのかを知って欲しかった。

この長い物語の中で、ジルベールのあの表情が一番好きでした。
私にとってはあれこそが黄金色のたてごとの音色。

物語が迎えた悲劇を思うと、読み返した今もやるせない気持ちになります。
周囲の大人たちのエゴ、セルジュ自身の若い驕り、ジルベール自身の脆弱さ。パスカル兄妹の常識良識。すべてが歯痒く歯軋りしたくなるほどです。
マンガでは描かれなかったセルジュのその後の人生を思うと
またやるせない気持ちになります。


そのせつな心に描いた私の世界は壮絶な孤独の未来を予知していたのかもしれない・・・
咲き誇る花も燃え盛る炎もはるかかなたの漠々たる荒野だった・・・



己の愚かさから花を枯らしてしまい、
荒んだ大地を一人で凄まじい虚無感を抱えて歩んだであろうセルジュ。
彼の今際にやさしいツバメの迎えがあることを今もずっと祈り続けています。