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拍手お礼
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◆8/27、青い方程式に拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/26、リンゴが落ちても〜 に拍手下さった方、ありがとうございました。雨の結び目をほどいてに拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/22、Hybrid Childに拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/19、間に合わなかった…100冊に拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/17、不器用なサイレントに拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/15、窮鼠〜 に拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/14、リンゴが落ちても〜 に拍手下さった方、ありがとうございました。◆8/3、きみが恋に堕ちる、窮鼠はチーズの〜 に拍手下さった方、ありがとうございました。◆7月以前に頂いた拍手のお礼は、それぞれの記事の中に移させて頂きました。感謝。
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プロフィール
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Author:下(した)
BL歴(たぶん)7年目の主婦。好きな本の感想を、好き勝手なタイミングで時々更新。こんな気ままなブログへご訪問下さってありがとう。
メールアドレス: riricheri2●oboe.ocn.ne.jp (●を@に代えてください)
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愛の深さは膝くらい
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依田沙江美(花音コミックス/芳文社)
まずタイトルに惹かれました。 膝丈っていうところが、受くんのお子さま度を絶妙に言い表している…(た、たまらん )。
教師×高校生。顧問×生徒。鷹揚攻×ツンデレ眼鏡受。 交錯する大人目線と子ども目線によって、面白可笑しく、味わい深い学園モノになっています。 攻視点(大人側)寄りで話が進むので落ち着いて読むことができました。 攻のキャラクターが好かったです。 要領良く人付き合いをする実、心の内は少しだけ冷めていたりするタイプ。 臨採教師として初めて教鞭を取り、年頃の高校生たちと関わって行く中で 物事を見つめる目がだんだん深く温かくなっていくのを感じました。 そう考えると、タイトルは受のことだけでなく、攻についても触れているのかも??
神社の跡取り息子である攻は、父親に生活態度を改めるよう窘められ、 その父親のコネで高校の代用教員の職に就くことになります。 そこそこ上手くやっているつもりのところへ、気になる男子生徒(受)が一人出現。 自分(攻)に対してだけやたら無視、さり気に反抗的態度をとるその生徒は、 学生時代の悪行を知る数多の元カノのうちの一人を姉に持っていました。 (ちなみに姉自身は、コミックスの中には全く登場しません) シスコンという訳ではなく、ただ思春期の潔癖さで以って攻を天敵と見なします。
とにかく、この受くんのリアクションが色々可愛い…。 かなり攻撃的な性格をしているので、時々笑って流せないような言動も見受けられますが そこはちゃんと先生(攻)が嗜めたりかわしたりしてくれます。 教師と生徒の立ち位置を保ちつつも プライベートに近づいていく二人の距離感が堪りませんでした。
書道部というマニアックな部活を舞台にするところ、 攻が地元の神社の跡取りという設定がまた、この作者さんらしいですよね。 学校や町内といった寄合的な場を描くことがとても上手い方です。 主人公がそういった集団の和気藹々とした雰囲気の中から不意に抜けて、 意識を自己の内面へと向かわせる瞬間を追う描写がまた、すごく良い。 攻受両視点・大人子どもの両目線でピンポイントなモノローグが描き込まれていたと思います。 テーマがシンプルだったことも良かったでしょうか。 これって、昴くんのヰタ・セクスアリス序章ってかんじ? しつこいようですが、石倉先生視点というのが本当に美味しかった…。
さてさて、本作にはまだ続きがあるようです。 巻数は打たれていませんが、シリーズ第1巻という位置づけにあるもよう。 公人としての自覚と大人の深い愛で踏み止まった先生の決心を 受くんがラストシーン、不意打ちのキスで壊しにかかります。 続きは二年後ぐらいに出るのかな? 実時間で数えると、作中の高校生たちも卒業してしまいそうですが まったり待つことにいたしましょう。 正直のところ、作者の依田沙江美さんには、 語られぬまま終わっている別の愛についてもちゃんとして欲しいのですが、 ひとまず本作には読者としてとても満たされました。
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是 -ZE-
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志水ゆき(ディアプラスコミックス/新書館)
Hybrid Child を読んだらムショーに読み返したくなってしまった…。 こちらもまた、紙人形という一種の人造人間と、その主人となる人間との関係を描いていますよね。 あちらがやさしい交情の物語なら、こちらは激しい情交の物語? ヘタにマジメな感想を書くのは野暮なくらいに ボーイズラブの主線道路を高速で突っ走っています。
もしやこれは自作コミックの801パロ? そう思ってしまうくらいに、一般的な漫画とは主軸を外したところで ストーリーは展開、突き進んで行きます。 きっと作者さんの中には 言霊師とその相棒である紙様がツーマンセルを組んで社会的事件に裏から係わって 暗躍するお話があるのでしょう。 是という漫画は、そのコンビが恋愛関係に陥るとこんなふうに萌える という 作者さんの楽しい妄想から生まれた二次創作なのでは?? ←それは私の妄想です
各章一組のカップルにスポットをあてて巻数を重ね、現在六巻まで出ています。 一巻につき一組ではないですよ〜 二巻ごとに二組のカップルのお話(+α)が切り良く収まっていますので これから買おうかなと思っている人はご注意下さいね。 特に奇数巻については単品で買ってしまうと 続きが気になって苦しむ羽目になるかもしれません。
一、二巻で 主役のほのぼのカップル(ヘタレワンコ攻×ツンデレな天然受)成立、 おまけ的に 言霊師一族の若き当主と古参の紙様のカップル (眼鏡スーツの年下攻×飄々とした関西弁美人受)、 三、四巻で 社会の裏方一族のさらに裏方的役割を果たす、不動産会社社長とその美人秘書のカップル (強引攻×健気受)成立、 箸休め的に 双子の言霊師とひとりの紙様というイレギュラーな3Pカップル、 五、六巻で 一族の裏方不動産屋の使い走りカップル(無表情攻×俺様受)成立。
そして、まだまだ以下続刊──?
こんなふうに、さまざまなカップルのお話を読めるので 今度は一体どんなタイプ?とワクワクしながら続きを待っています。 コミックスの中では常に次巻予告が入っているのですが、 そのキャッチが実に上手くて、ググッと惹きつけられるんですよね。 次巻に出てくるセリフの一部とラフカットイメージ、 それらを纏めて読み手をさらに煽るキャッチコピー。 実際に次巻を手に取ってみたとき、セリフやカットが微妙に改変されていると分かるところが またいいと思います。「鋭意製作中」っていう感じがして。
それにしても、志水ゆきさんは本当に凄い。 毎回刊行予定を明示するばかりか、それをキッチリ守ってくれたり、 肝心の漫画ではカップルを焦らし過ぎないところで成就させてくれたり、 読者に負担の少ない全員サービス(一枚コミックペーパー)を行ってくれたり。 全サについては、今では小説ディアプラスの方でも 一枚ストーリーペーパーを扱い始めたことからも分かる気がするのですが、 読み手のニーズをちゃんと受けとめてくれていると思いました。
業界的に派手なことを仕掛ける訳ではなくても 個人の作家さんとしては非常に企画力のある方ではないでしょうか? 周りにいいスタッフさんも揃っていらっしゃるのかもしれませんね。 ここまで色んなキャラ、さまざまなカップルが入れ替わり登場するお話は── しかも、どれも濃い──たった一人の萌え力では生み出せない気がします。 私自身、好みのキャラはあれども、どのカップルを読んでいても萌えました。 これって、作者さんがどのキャラにも力を入れて描いてくれているからだと思うのですが そういう所にも好感を持てます。
ちなみに、私は主人公カップルが一番好き。 主役の雷蔵くんは言霊師ではなくフツーの一般人で、作品世界の中ではイレギュラーな存在です。 きっと、だからこそ主人公? 彼から発せられる言葉には、陽に作用する大きくて温かな力がある気がします。 「是」という作品全体を貫く怒涛のラブモードに呑み込まれそうになりますが、 すごく大切なことを話してくれていると思うのです。 他にも 言霊師たちが、陰に作用する力(不幸をもたらす言葉の実現)しか行えないことや、 負の言葉はやがて撥ね返ってきて我が身どころか、自分の大切な人を傷つけるということ。 そういった設定は、言葉の力について思いをめぐらす為の とても良い機会を差し出してくれていると思いました。 実は最初に一巻を読んだとき、 言霊師ボーイズラブ!? いい声、クる声の男たち!? ドラマCD化するのに何て美味しい設定なんだ… !! (喜) と、思ったことを白状いたします。ごめんなさい、ヨコシマでごめんなさい。
さて。 現在、雑誌で連載中の筈の六組目のカップルでとりあえず 出ている言霊師×紙様カップルの話はすべて描かれたことになるのでしょうか。 今後割り込みさえなければ、 いよいよ真打、人形師(紙様をつくる男)×?? の登場でしょうか? 誰よりも紙に甘いと言霊師たちには評されつつも 人形師の心の中の冷め切った部分を紙様たちは感じ取っているようです。 この人形師の過去が明らかにされる日を私個人は今か今かと待っております。 (志水ゆきさんは別作で、真打キャラのエピソードを描かぬまま連載を終わらせてしまったので、 今ひとつ信じきれない…) 雷蔵くんと番いの紙様・紺くんが 周りの魅惑的なカップルたちに呑み込まれず 主役カップルとしての力を如何なく発揮する場は、きっとそこにある筈。 頼んだよ、雷蔵! きばれ、ヘタレワンコ!
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Hybrid Child ハイブリッドチャイルド(新装版)
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中村春菊(あすかコミックスCL−DX/角川書店)
旧ビブロスのビーボーイコミックスからの出し直しですが、描き下ろしは無し。 ただし、カバーをめくった表紙と裏表紙に初出5コマまんが有り。 カップリングは、壱×ゆず(本編第二話に登場のキャラ)。
おそらく明治維新を時の舞台にしたボーイズラブ。 それぞれ主人公を変えた三つのお話(とサイドストーリー一本)が入っていて、どれもリンクしています。 リンクの元となるのがハイブリッドチャイルドと呼ばれる人形です。 その人形は、持ち主の愛情を受けることで心身成長していく人造人間です。 何故、この時代に人造人間? というツッコミが入る意味でも、これはファンタジー。
一話目、葉月(ハイブリッドチャイルド)×小太郎。表紙イラストのカップル。攻受両視点。 クールな執事といった風体の攻に、袴姿のやんちゃ系受。 小太郎は、とある名家の若き当主で 葉月は、幼い日の小太郎がゴミ捨て場から拾ってきたハイブリッドチャイルド。 二人大きくなった今は、 勉強嫌いのお世継ぎと、それを厳しく諌める守役といった関係でした。 ところが、葉月のハイブリッドチャイルドとしての寿命が終わりに近づいて──。
二話目、瀬谷壱(せや・いち)×ゆず(ハイブリッドチャイルド)。受視点。 温厚攻×無邪気一途受。 ゆずは、優しい主人を持っているにもかかわらず、成長しない自分の姿に もどかしい気持ちを抱えています。 主人である壱は、成長速度はそれぞれだと言って聞かせますが──。
ハイブリッドチャイルドという人形を通じて語られるもの。 心を生み育むのは、唯一無二の愛情。 成長を促すのは痛み、そして優しさはその痛みを癒そうとして生まれるということ。 一話、二話ではそういったものを感じとられて、しみじみとした気持ちになりました。
ただ欲を言うなら、一話目では 小太郎の葉月への執着と愛情を生むものを もう少し掘り下げて読みたかったように思いました。 (ゴミ捨て場の人形(=葉月)が寂しそうに見えたのは、小太郎自身が寂しかったからでは?) 二話目では 壱がゆずにキスをしかけた一瞬の険しい視線に、 何も知らないゆずを傷つけたい気持ちがなかったのかどうかを問いかけたくなりました。 (単に私自身、そういう方が萌えるだけです…)
作者の中村春菊さんは、純情ロマンチカシリーズがTVアニメ化されて ますます人気BL作家として足場がどっしり固まった感がありますよね。 新しくシリーズとして始まった「世界一初恋」、先日私もコミックスを買いました。 楽しめるボーイズラブといったシリーズもいいですが、 「Hybrid Child」は大事にとっておきたくなるような一冊でした。 とても好いタイミングで新装版が出たと思います。 旧版のビーボーイコミックスを私は読んでいなかったのですが 当時推薦する声が多かったのを記憶していたので、今回ふと手に取ってみました。 評判どおり、ラストが珠玉の一編。
三話目、ハイブリッドチャイルドの生みの親である人形師・黒田の過去。 人形の元々のモデルとなった幼馴染・月島との物語です。 黒田×月島。攻視点。 時は幕末、二人は同じ主君に仕える若き藩士で、二話目登場の瀬谷壱を交えて 幼馴染三人組として過ごしてきました。 黒田はからくり人形作りを趣味としていて 後のハイブリッドチャイルドとなる最初の一体を幼馴染たちに披露しますが、 その人形の顔が月島の幼少時に酷似しているとのツッコミが入ります。 他愛もない日常と、幕藩体制の終わりと不穏な世の中、やがて始まる悲劇の戦乱。 三人組が仕える藩はおそらく会津をモデルにしていると思われます。戦の結果は自ずと…。
ひたすらに、ただ一人を恋しく思う男の姿をみて 読後たまらなく人恋しさが募ります。 このラストの一編を得がたく感じるのは、人を求める気持ちが心の何処から生まれてくるのかを 教えてくれるからだと思いました。
恋しい人の差し出した桜の木の一枝を継ぐものが ハイブリッドチャイルドでしょうか? だとしたらきっと、当人たちの知らぬところでたくさんの花を咲かせていると思うのですが 男の孤独を思うと胸が詰まります。 もしかして、何かを作り出すことの出来る人は 圧倒的な寂しさの淵に立っているのかなと思ってしまいました。
作者さんにはまたいつか、こういうお話を描いて見せていただきたいです。
夏草のにおい 白雲の風 幾年経ても──
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